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ともあれ、外科の教科書に博士の治療法がごく一般的な方法として紹介されていることに、私は時代の変化を感じる。
というのは、医学界の権威たちは、内分泌腺が正常で栄養状態もノーマルという動物では、治癒のどのような促進剤を使っても使わなくても一定の時間で治るものだ、促進剤など無意味だと長い間主張してきたからだ。 健康な動物の場合でも軟骨製剤が傷の治りを早めるという考えを医学界が受け容れたことは、軟骨製剤の他の治療分野への応用に関しても、彼らが認める下地ができたということを意味している。
P博士のガンの治療実験は、免疫強化とマイルドな血管造成抑制剤としての軟骨の効果を利用して初めて成功裡に行なわれたものという点で、きわめてエキサィティングだった。 ちょっと想像してみてほしい。
ガン患者に牛の軟骨を投与する、すると腫瘍が退縮する、しかし、鮫の軟骨は血管造成抑制剤としては1000倍も効果的とされている……。 それに、鮫の軟骨には牛の軟骨と同様、免疫機能を強化する効果もある。

P博士の実験は、さまざまな症状のガン患者31人を対象に行なわれた。 経口と注射で牛の軟骨製剤を投与し、2年間、患者を長期的に観察してその結果を追跡した。
博士は1972年にこの実験を始めたが、対象にした患者は放射線も抗ガン剤も役に立たないと判断された患者ばかりだった。 軟骨製剤は最初、注射で与え、その後経口でというやり方で投与したが、これによって患者の生存率は高まった。
2回から4回に小分けして総計100mになるように注射するのを1日分の注射とし、週1日から1日置きのペースで続けた。 注射の期間を負荷期間と呼び、負荷期間は総計2000mの量の注射を与え、終わった時点で終了した。
その後は経口投与とし、この期間は維持期間と呼んだ。 一錠に375ミリグラムの軟骨の粉末を含むカプセルを、8粒ずつ8時間ごとに経口で投与した。
これは1日9グラムとる計算になる。 8時間おきでなく、日中2回に分けて合計で9グラムとっても同じ効果になるのかどうかについては、証拠がない。
実験結果を評価する物指しとして、完全な反応とは、12週間という最短期間中に、どういう検査であれ一個の腫瘍が消滅したのが確認された場合、と定義した。 骨の放射線測定(放射性物質を患者の体に入れ、その物質の体内での集まり方で測定する)をやると問題のあった箇所に骨の再生が起きていることが明瞭に示きれるようなケースも、これに何の異常も報告されていない。

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